年々と母子家庭は増え続けています。
コロナの流行により、働き方や生活のリズムが一変した家庭も多いため、ちまたでは「コロナ離婚」というワードももよく耳にしたのではないでしょうか。
そういった中、ひとり親家庭(母子家庭)を守る制度がいくつか用意されているのを知っていますか?
ここでは6つの支援制度を紹介します。
この記事で紹介する支援制度は、ひとり親家庭が経済的な安定と社会的な不利益をこうむることがないよう、子供たちの健やかな成長をサポートすることが目的で設けられています。
母子家庭が安心して暮らせるような支援ばかりなので、聞いたことがない制度があればチェックしてみてください。
ひとり親家庭(母子家庭)の概要について
令和3年度に厚生労働省(最新)から発表されているデータでは、母子世帯は119.5万世帯、父子世帯は14.9万世帯と推測されています。
なかでも母子家庭は、経済面でも年収の平均が父子家庭の半分程度であり、貧困問題としても大きくメディアで取り上げられています。
「令和3年度全国ひとり親世帯等調査」結果についてより引用
「母子及び父子並びに寡婦福祉法」における母子家庭とは、次のいずれかに該当する方が、20歳未満の子どもを養育している家庭をいいます。
父子家庭の場合は上記の母子家庭の「夫」を「妻」と読み替えたらいいよ!
寡婦は母子家庭の母であった方で、
子どもが成人した現在も配偶者のいない女性のことよ!
それでは、ひとり親家庭(母子家庭、父子家庭)・寡婦を対象とした支援制度についてそれぞれ解説していきます。
ひとり親家庭(母子家庭)の手当等の支援について
児童手当
支給対象
中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している家庭
支給手当額
- 3歳未満 15,000円/1か月(一律)
- 3歳以上小学校終了まで 10,000円/1か月(第3子以降は15,000円)
- 中学生 10,000円/1か月(一律)
- 支給時期
支給時期
年3回(2月、6月、10月) ※例)10月〜1月の4か月分を2月に支給
児童扶養手当
支給対象
次のいずれかに該当する児童(18歳に達する日以降の最初の3月31日までの間にある者、または20歳未満で一定の障害の状態にある者)を養育している母又は父や養育者で支給要件を満たした人。
- 父母が婚姻を解消した児童
- 父又は母が死亡した児童
- 父又は母が重度の障害にある児童
- 父又は母の生死が明らかでない児童
- 父又は母から1年以上遺棄されている児童
- 父又は母が裁判所からのDV保護命令を受けている児童
- 父又は母が1年以上拘禁されている児童
- 婚姻しないで生まれた児童
- 父・母ともに不明である児童(孤児など)
ひとり親家庭(母子家庭)の住居支援について
公営住宅(市営住宅・県営住宅)への優遇措置
住まいに困っているひとり親家庭(母子・父子)に対しては、公営住宅の入居者募集の際におこなう抽選の当選率が優遇されています。
公営住宅は一般の住宅よりの安価に借りられる住宅のことで、母子家庭だと入居できる当選確率が上がります。
入居の募集時期は毎年3、4回のところが多いようですが、自治体によっては広報誌やHPなどで発表されることがあるので希望の方は自治体情報を見逃さないでください。
母子生活支援施設
保護が必要な母子家庭(18歳未満の児童とその母)の母子が入所して自立を図ることができる施設です。
ひとり親家庭(母子家庭)の医療費助成について
ひとり親家庭等医療費助成
ひとり親家庭の母及び父並びにこれらの家庭の児童の医療費(保険診療分)の自己負担が助成されます。
助成を受けられるのは、ひとり親家庭(母子家庭及び父子家庭)の前年の所得が児童扶養手当を受給できる範囲の方が対象です。※自治体によって対象基準が異なる場合があります。
私の自治体だと、非課税世帯は医療費1割の負担。
同医療機関への医療費の支払い上限は2,000円/月まで
ひとり親家庭(母子家庭)の職業支援について
高等職業訓練訓練促進給付金
就職・転職に必要な国家資格を取得するため1年以上養成機関で修学する場合、期間中の生活の安定を図るために、一定期間給付金が支給されます。
対象資格 | 看護師、准看護師、介護福祉士、保育士、理学療法士、作業療法士、 保健師、助産師、理容師、美容師、栄養士、調理師、製菓衛生士 ※令和5年まではデジタル分野等の民間資格(6カ月以上の修学を要するもの) が対象。 |
支給期間 | 上限4年 |
支給額 | 市民税非課税世帯 月額100,000円 市民税課税世帯 月額70,500円 修学最後の12カ月は支給額が増額。 市民税非課税世帯 月額140,000円 市民税課税世帯 月額110,500円 |
申請受付期間 | 随時受付可能(申請希望の場合は事前相談が必須) |
修了支援給付金 | 修了後、1回のみ支給 市民税非課税世帯 50,000円 市民税課税世帯 25,000円 |
資格を取得すれば就職にも有利ですね。
安定した生活を送るためにも、ひとり親家庭(母子家庭)にとって役立つ支援になりそうです。
事前の相談が必須になりますのでお住まいの自治体に確認してください!
ひとり親家庭(母子家庭)の法的支援について
法律相談
離婚に関する法律上の問題に弁護士が相談にのってくれます。
だいたい1回は無料で利用できますので気になることがある場合は相談してみてください。
相談時間は予約制のことが多いので、お近くの自治体へ電話して確認してみましょう。
養育費取得支援
養育費に関する相談のほか、面会交流等の問題も含め電話もしくは面談で相談にのってくれます。
養育費取得の方法について、面談での相談や書類の作成支援など一緒になって支援してくれます。
専門的な支援が必要な場合は司法書士等が直接相談にのってくれるので心強いですね。
こちらも事前の予約が必要です。
養育費に関する公正証書作成費等補助事業
「公正証書」などの養育費に関する債務名義を作成した際、作成にかかった費用を補助してくれる制度です。(上限は5万円)
自治体のHPを確認してくださいね。
養育費保証料補助事業
保証会社と養育費保証契約を締結する際に保証料として本人が負担した費用が補助されます。(上限5万円)
こちらは令和5年6月より新たに開始した事業です。各自治体のHPを確認してください!
ひとり親家庭(母子家庭)の子育て支援について
就学援助制度
小・中学校・義務教育学校へ通う子どもがいる場合に、学用品費、給食費などをの費用の一部を援助する制度です。
援助内容は各自治体で定められていますが、給食費、学用品費、修学旅行費、入学準備費用など幅広く支援されます。
児童扶養手当を受給されている方は対象となりますが、それ以外の方でも所得に応じて援助が受けられます。
申請時期が決まっていますので、学校からのお知らせ、自治体のお知らせを見逃さないようにしてください。
まとめ
ひとり親家庭(母子家庭)の支援策7つを紹介しました。
まだ知らない制度があれば、早めに自治体に問い合わせてください。
子どものいる母子家庭・父子家庭はさまざまな援助が受けられます。
自治体によってはここに載せてない制度が新設されているかもしれません。
そういった場合には、各自治体のHPの「ひとり親家庭のガイドブック」(しおりやハンドブックなどの表記かもしれませんが)がありますので、それもぜひ参考にしてください。
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